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2024.03.06(水)
「きちんとしたメンテナンスはしていないように思います」
50年くらい前に母が叔母からもらったということです。叔母は美容師の資格を持っていたという話を聞いたことがあります。刻印が入っていますが、メーカー等はわかりません。
私自身は使ったことがありませんが、髪の毛を引っ張ってしまい、痛いということです。全体的に古びていてボロくみえます。私も子どもの頃、母に髪を切ってもらいましたが、きちんとしたメンテナンスはしていないように思います。
子どもが孫の髪の毛を切るのに使っています。
そんな想い入れのある大切なシザーをメンテナンスさせていただく事になりました。
お婆様からみるとひ孫が玄孫(やしゃご)の髪の毛を切っているという状況。代々大切にされてきたハサミ。
60年以上は使われているだろうハサミ。それだけ使うとさすがにいろいろと不具合が目立つ職人泣かせなハサミ。
ただ、大切に使われた形跡はしっかり残っている。
それがとても嬉しい。
それだけで私たち職人はモチベーションを高め、難関を乗り越える事ができる。
かなり苦労はしましたが、無事お戻しする事ができました。
私の技術がお客様の役に立ち、感動を与え、感謝の想いを伝えていただけるという事はとても幸せな事なんだと、再認識させられました。
これからも謙虚さをわすれず、誰かの力になれるように努力を惜しまず頑張ります。
シザーズ倭 野田